「なんてこった」



 爆風の中で立ち続ける事しか出来ない

 いや、それが出来るだけでもまだマシなのだろう、敵は最早この”場”にすら居ないのだから

 風の中心でまるで遊ぶようにひらひらと手を振る少年に誰も触れる事すら出来ずに終った

 敵も味方もお構いなし、だが



「天才だ、畜生」



 大戦はもうすぐ終る、戦が終ろうとしていた

 少年は本当に小さな存在でしかなく、だけど内に秘めた実力はこれから幾らでも伸びていくだろう

 天才が現れるには遅かった

 それが悔やまれて仕方ない

 少年の未来に、自分達が望む平穏があるとすれば

 この子はこれからどうやって生きていくのだろうか

 まるで長い長い嵐が明けていくかのように、風は音も無く空へと消えて

 春の陽射しを足元に見せた


































春風 Thanks for 40000HIT Request #1
































!」



 手を振りながら歩み寄るカカシに視線を向けた



「次の任務が決まったって聞いたんだけど?」


「ああ」



 それか、と、興味津々に訊ねてくる彼とは逆に全くの無関心では再び空へと視線を移した



「今度は何処行くの?」


「カカシさん、任務は内容に関わらず極秘だよ」


「臨機応変デショ」



 軽く規律違反を呟くカカシに小さく溜息を漏らした

 別にとて真面目に何もかも守ってるわけじゃない

 Cランク任務くらいなら話した処で実際問題などない、まぁCなど滅多に貰う事もないのだが



「木の葉だよ、今回は」


「へぇ、里外じゃないなんて珍しいねぇ」



 いつもは最低でも一週間は外へ出て帰って来ない任務ばかりなのに



「そういうわけだから、次はカカシさんが土産お願いね」



 呆っとしながらは呟く



「なんだ知ってたの?俺の次の任務」


「いや、でも僕が内に居るならカカシさんが出るんじゃないかと思ったから」



 大体、天才と呼ばれる忍を二人も里内へ閉じ込めるような事しないだろう

 それもそうかとカカシも頷いた



「何がいい?」


「何処なんですか」


「確か砂だった筈だよ」


「なら…窯羊羹と蒸留酒の軽いやつ」



 少しだけ視線を空からずらし、以前誰かに聞いた砂の隠れ名物を注文してみる



「おっけ、探してみる」



 にこりとそれに頷くカカシは甘い物は食べないが酒なら共に飲めると思い了承した

 互いに外任務へ行く時は何かと土産を交換したりしていた

 元々人付き合いの多いではなかったが、大戦時からの長い付き合いでカカシとはよく話をする

 大戦で活躍したカカシはビンゴブックにも載る程のエリートと囃し立てられるが

 実力で言うと実はの方が上ではないかと思っていた

 だが大戦の終わりに現れたはその実力を発揮する前に戦は終結、結局彼の事が噂になる事はなく

 九尾の某の時も運悪くというか、長期任務で他国へと渡っていた為にその姿を見る事もなかった

 天才だと密やかに噂されてはいたものの、今ではそれを知る者は殆どいない

 勿体無い話しだとは思うのだが、だからと言って再びあのような大きな戦いを望むわけでもなく

 平和な世界では天才など無用の長物か、と、溜息を吐くしかなかった

 そんな事を全然知らない周りは何故エリートのカカシと仲良く話してるのだろう

 年だって十近くも違うだろうに、生意気な、なんて

 やっかむ者もいるらしい、それも平和な証拠かと珍しくも苦い顔で笑っていた



「…そう言えばカカシさん」



 ふと顔を向けた



「今度下忍の担当上忍になると聞いたんだけど」


「ああ、火影様からのお達しでね」


「珍しいね、受け持つの?」


「合格すれば面倒みるよ」



 それぞれの上忍が施行する下忍選抜試験に合格しなければ

 アカデミーを卒業して額宛てを貰ったとしても下忍とは認められない



「その試験なんだけどさ、それってどんな事するの?」


「んー…まぁ即席チームワークテストかな、わかんないように演習にでも見せかけて」


「ふぅん」


「興味ある?」



 お?と、カカシは分からない程度に眼を細める

 見かけ通り、話す通り、はあまり何かに興味を持つ事が少ない

 会話していても素っ気無い事の方が多いのに、こうして自ら尋ねるなんて珍しい事だ



「んー…や、まぁ今更なんだけど…ぅん…」



 なにやら言い難そうに声を切るにいよいよ珍しいとカカシは首を傾げた

 恐らく言っても大丈夫だろう事だが、それでも特に話すべきでもない、と言ったところだろうか

 ただそれを自分で決めてしまわないのは珍しい、いつもはなんでも自分で考え、行動するのに



「話してみなよ」



 出来るだけそれを柔らかく促してみる

 はバツが悪そうに視線を幾つか動かした後、その小さな口を漸く滑らした

 内容に、カカシは眼を剥いて驚く事になる



「僕、実はアカデミー卒業してないんだよね」



 陽射し眩しい春の嵐であった

 





























 ではこの額に付けている額宛てはどうしたのかというと

 その辺で死んでいた木の葉の忍から少々拝借させて貰ったのである

 アカデミーに入学する”予定”はあったのだが、両親がその前に大戦へと駆り出され

 面倒をみてもらう筈だった親類も身内の不幸が続いたり

 まぁ色々あったりで兎に角忙しない時代だった

 結局の入学は有耶無耶のうちに忘れてしまった、と




 言ってしまえばなんとも呆れた内容ではあるが、当時は本当に子供に構ってられる時ではなかった

 放ったらかしにされていたはというと

 勝手にアカデミーの生徒が読む教科書をどこからか拾ってきて遊ぶように印を覚えたし

 その延長で忍術を身に付け、森を走り回り体術を身に付けていた

 そのうちに預けられていた親類も戦場へと向かう事となり、いよいよは一人になる

 そうして漸くどうしようかなと思ったのだ

 木の葉で、一応生活に必要な物は揃えられている、ようなのだが

 だからって別に此処に絶対居なければいけないなんて誰も言わなかったし

 此処に居たって特にやる事もやりたい事も何も無い

 元々深く考える性質じゃなかったせいもある、早々には身支度を整えた

 戦地へ向かおうとしてる木の葉の忍を見つけ、適当に後から様子見で送られた新人だと騙くらかして

 それでも若すぎたが当時は子供でも実力があれば戦地へ送られていたので一応納得してもらい

 そのうち両親とも会えるかなぁなんて思いながら初めての戦へと身を投じたのだ




 自分でも軽率だなぁと思わなくもないが、実際死んで困る身でもなかったし

 実際今まで生きてるわけだし、結果オーライ、なるようになるものだ

 そんな事をツラツラと話せば隣に居たカカシに思い切り頭をどつかれ、火影様に呆れられた



「お主よくそれで今までやってこれたな;」


「はぁ、実は任務書も読めないのです、漢字がわからないので」


「おまッそれで同じ上忍てどうなの!?恥かしいよ俺はッ!!」


「そう言われてもね、困る事もそんなになかったし」


「任務書読めんでどうやって任務しとったんじゃ;」


「チームなんで、他の人が読んでますから」


「うわぁ相変わらずってば他人任せの運任せ風任せ!!時の流れに身を任せすぎッ!!」


「まぁその通りだけど」



 ぽりぽりと頭を掻くはホントにもう何を考えているのか

 とことん呆れ果てるカカシと火影様は最早言葉もないと揃って項垂れたのだ



「……、今回の任務は取り消しじゃ;」


「はぁ」


「お主はこれからアカデミーへ行って勉強して来い」


「今からですか?」


「放課後じゃが誰かおるだろう、一応連絡しておいてやるから

 お主なら数日通えば字を読むくらいは出来る、筈じゃ」



 任務書が読める程度になったら戻って来い、と、火影様は適当にしっしと手を振り



「“蒸留酒”読めるようになったら一緒に呑もうネ」



 疲れた顔でぽんと肩に手を乗せたカカシには本当に何も考えてない顔で頷いた








































 ガラララ



「ぎゃーッ早く隠すってばキバ!!」


「馬ッ鹿ナルト!!そっちじゃねぇーッ!!」


「わわ、二人共プリントが…;;」


「ちょ、こっちまで飛ばすな面倒くせぇ!」



 教室の扉を開けたのにびくっと驚いた四人のアカデミー生は慌々と何かを隠し



「コラァッ!!お前等真面目に終らせないと帰れないぞ!!」



 その様子にまたかといった風のイルカは腕を組んでいつもの大声を出した



「わかってるってばよ!!」


「先生来んの早すぎ!!」



 それに食って掛かるのは決まってナルトとキバだ



「先生は関係無いだろうッ何時来ても真面目にやってて当たり前だ!!」



 ちなみにこの大声も右から左へ聞き流すのがチョウジとシカマル

 相変わらずな四人に一度大きく溜息を吐いてからイルカは教室の中へと入って

 そしてもう一人、その後ろに着いて来た一人の青年に四人の声は止まった



「まったく…それよりも、今日はお前等と一緒に補習に参加する友達を紹介する」



 そう言って体を横にし、四人の前へ促されたのはなんとも無表情な一人の青年

 ちなみにイルカの”友達”という言葉に心中複雑だったのは今は黙っておこう

 黒に近い青を有した髪は纏めて額当てで後ろへと退かされ、ざんばらに左右流れ落ちている

 同じ色の眼は三白眼では無いにしても少し鋭く、白い肌と大人にしては細身の体が青年を幼く見せた

 実際まだまだ若いのだけど、アカデミー生の四人からすればイルカ先生も彼も大して違いない



「こちらは上忍のさんだ、お前等仲良くな」



 と、言われても

 突然上忍がお友達で仲良くなとか言われても



「先生頭沸いたんすか?」



 早速失礼なシカマルにゴツンと拳固が落とされたのは言うまでも無い

 子供には威力があるらしい、それを見た他の三人はとりあえず大人しく

 もイルカからプリントを受取り、四人の輪の中へ入るように適当に腰掛けてペンを握った



「とりあえずお前等はプリントの続きだ、上忍はそのプリントを読んでみて下さい」



 先ずは現状把握です、というイルカには視線を下へと落とした

 プリントをしろと言われても、突然現れた上忍というまるで雲の上のような存在に

 四人がじっとしてるわけがない

 机に向かってる振りをしながら四人共が一体どんな事をしだすのかと視線を向けていると



「…む…かし、むかし、ある、ところ、に、おじ、い、さんと、お、ばあ、さん、が…」



 しどろもどろと読み上げるに四人共ぱかりと口を開いてペンを落とした



「“ちいさな”です」


「…ちいさな…」


「それは”こども”」


「こども…ああ、小さな子どもが、かけま、わる、と……?」


「土、“つち”ですね」


「つちの…」


「“なか”」


「なか、から…」



 延々と続く、まるで子供の本読みはきっちり十分続いた



「はい、お疲れ様です」


「「「「って、なんか間違ってる(てばよ)!!!」」」」



 ふうとプリントから顔を上げたとイルカに漸く四人は声を揃えて突っ込みを入れた



「なんで上忍が“木の葉でころころ”読んでるんだよ!?」



 それは木の葉の子供なら小さい頃絶対読んでもらった事のある絵本の一部だ

 勿論キバだって知ってる



「期待裏切りまくりだろ!?つーかんな漢字でひっかかんなよ!!ナルトでも読むぜ!?」


「そうだそうだー!って、ちょっと失礼だってばシカマル」



 思わずノったナルトだが一応シカマルにもチョップしておく



「ホントに上忍なんですか?え、ドッキリ?」



 チョウジは真剣に周りを見回した

 まぁ当然と言えば当然の反応だが、それを本人の前でされるとイルカとしてもバツが悪いというか



「こら、お前等いい加減にしろッ人それぞれ事情があるんだ!」


「どんな事情があったらそうなるんだってばーッ!?」



 ナルトの声にうっとイルカは詰まる、が



「僕はアカデミーに通わずすぐに戦場へ行ったから、平仮名くらいしか字が読めないんだよ」



 あっさりと、それはもう涼しげですらある声はナルト達の目の前から



「火影様にそれをばらしたら、アカデミーで勉強して来いと言われてね」



 任務書を一人で読めるようにならなきゃ戻れないんだ、と

 まるで他人事のように呟くにナルト達四人だけでなく簡単な事情しか知らなかったイルカも驚いた



「で、でも、字も読めないのに任務なんて…大体、印は…?」



 ありえない、という顔で訊ねるシカマル



「アカデミー生用の教科書を昔拾ってね、そこにイラスト付きで載ってたから見て覚えたんだ」



 だけど字が読めないからどれがなんて言う印かは知らないんだけど、とは言う
 
 術は誰かが使うのを見て、見様見真似で、とも付け足して



「でも…上忍にまでなったんなら、それなりに試験とか…」



 すっかりお菓子を食べる手を止めたチョウジ



「実地試験みたいなものだったっていうか

 大戦が終って里へ戻ったら適当に上忍くらいでいいんじゃないか?って」


「なんつーいい加減な;;」



 ちなみにそう言ったのはカカシなのだが

 当時はそんなの事なんて知らなかったカカシはてっきり

 子供だから下忍から中忍へ上げるのも渋られてるのではないのかなぁなんて思っていた

 自分の経験を踏まえて、の事で、別に適当を言ったわけではない、念の為



「別に上忍だからって、まぁ難しい任務も幾つかもらったけど要は慣れだから」



 そんな馬鹿な、慣れで何とかなるほど忍の仕事は簡単ではない

 そうは思うものの実際目の前の上忍はそうだと全肯定し、イルカは既に言葉も無い



「…な、なんかよくわかんないけど…すげぇ…てば…;?」


「いや、どうなんだ;?すげぇとは思うけど…;?」



 仲良く顔を見合わせて首を傾げる四人に倣っても意味も無く首を横へと倒す



「・……ぷ」



 その様子に、耐え切れず声を漏らしたのはシカマルだった



「ぷぷ…兄ちゃん、なんか面白ぇなぁ」



 くすくすと笑うシカマル、それにつられてチョウジもくすくすと笑い出した



「うん、お兄さん面白いねぇ」


「なぁなぁ、なんかスゲー術見てみたいってば」


「あ、俺も見てぇ、つか上忍て初めて見るかも?」



 流石子供は頭が柔らかい、という事だろうか?

 未だ固まるイルカなど他所に四人の子ども達はきゃいきゃいとを受け入れてしまった



「ねぇ、それじゃあ僕達と一緒に勉強しようよ」


「そうだってば、これくらいの漢字なら俺でも教えられるってば!」


「俺もわかるぜ!この話も知ってるから大丈夫!」


「印の種類とかくらいなら俺等でも教えれるよ、面倒くせぇけどさ」



 きらきらと輝くような笑顔をまっすぐにむけられて正直は戸惑っていた

 そうなのだ、アカデミーすら行っていないは”子ども”と関わるのが実質初めて

 戦場には子どもなんて自分以外いなかったし、帰ってからも任務にすぐ就いた

 邪気の無い笑顔を見るのも初めてだった

 お前は子どもらしくないなぁとよく言われたけど、あの時は意味がわからなかったもの

 ああ、これがそうなんだ

 驚くように眼を開いて彼等を見ていた



「…うん…よろしく」



 まるで自分も同じ子どもになったみたいな気がして

 まだ笑えないながらも彼等の手を取ったのだった






























 そして数日、アカデミーの放課後ではお馴染みとなりかけている光景が今日も繰り広げられていた



「んじゃあもっかい最初からな」


「今度は俺が号令かけるってば!全員構えてーッ」



 ナルトの声に四人は椅子に座ったまま両手を組んで人差し指だけを立てる



「よーい!子ッ丑ッ寅ッ卯ッ辰ッ巳ッ馬ッ未ッ申ッ酉ッ戌ッ亥ッ!」


「むきーッまた間違えたぁ!!」


「キバは辰あたりからぐちゃぐちゃだったってば!」


「僕は最後が苦手だなぁ、早くなると難しいや」


「俺も、まだ早いのはなー、つかってやっぱ上忍だけあって結ぶの早いな」


すげーってば!号令の俺の方が着いていけねーってばよ!!」



 感心する四人にははにかみながらも笑顔を返す

 何よりもに変化があったとすれば

 それはこうして誰かに無条件で笑顔を向ける事が出来るようになった事だと自身思う

 学ぶ事はとても多かった、忍術・体術は出来ても人として抜けている事があまりにも沢山あったのだ



「んじゃ、この調子で今度は印を書くってばよ!」


「うん」



 そうしてばさりと広げられたプリントに向かいはぐっと筆を取る

 そして嘗て無いほど真剣な面持ちで机に向かい腕を振るうのだ



「……………………………………………ッし」



 全員が手に汗握る中、は漸く重い頭を上げる

 そして書かれた文字を一つずつシカマルがチェックして

 頷いたのを確認しチョウジが手を叩いて喜んだ



「やった!!完璧だよ!!」


「すげーッまだ三日しか、つーかこれ教えたの昨日なのに!!」


「お、俺だってまだ書けないのにってばッ煤I?」


「え、ナルトこの前書けるようになったって…」


「あ゛…や、えっと、ご、五割の確率で書けるんだってばッ;;」


「微妙―ッナルト微妙だーッ」



 ぎゃはははと笑い声がの周りで起こる

 最初はどうしてこんなにもすぐに笑うんだろうと思ってた

 ああだけど、少しずつ彼等の気持ちがわかってきた気がする



、今度は自分の名前も書けるようになろうよ!」


「あーッそれイイってば!」


「ついでに俺等の名前も書こうぜ!」


「ナイスシカマル!!あ、赤丸も忘れないでくれよなッ」



 言われるままには筆を走らせていく

 決して綺麗とは言えない文字だけど、それが形を成し

 意味を成すにつれて彼等は嬉しそうにわらってくれた

 それがとても嬉しくても紙いっぱいに彼等の名前を書いていく


 


 うずまきナルト


 奈良シカマル


 犬塚キバ


 秋道チョウジ


 赤丸


 火影


 海野イルカ



 沢山の名前を知っていた、だけどこうして文字にしていく事の喜び

 音だけではなく形を持って認識する事

 新しい世界の一歩だった











































「おーいお前等しっかりやってるかっ?」


「「「「「あ、イルカ先生!!」」」」」


「先生見て!!もうこんなに書けるようになったんだよ!!」


「俺の名前!!俺の名前もあんの!!赤丸も!!」


「へぇーすごいですね!まだ全然経ってないのに!」


「なぁ、も一回印の種類書いてイルカ先生にみせようぜ!!」


「あ、俺も書く!俺も一緒に書くってば!!」


「それじゃあ皆で書こうよ!!」


「シカマルーッ紙一枚くれ!」


「よーいどんで、誰が一番最初に書き終わるか勝負だってば!!」


「おっしゃ負けねぇ!!」


「先生!先生が号令掛けて!!」


「面倒くせぇなあ」


「よーし、それじゃあいくぞお前等!」



 

 光が差し込む教室に笑い声が生まれた









 
「よーい、どん!!」













































「おおイルカ、の様子はどうじゃ?そろそろ任務に寄越せそうか?」



 腐っても上忍、しかも周知は知らぬがはカカシと張り合うかそれ以上の実力

 いつまでもアカデミーなんかに置いておくには惜しすぎた

 まだたったの三日だというのに既に痺れを切らせそうな火影にイルカはくすくすと苦笑しながら



「そうですねぇ、とりあえず今日は」



 言いながら一枚の紙を火影へと提出した

 それを見た火影はやはり苦い顔を隠す事が出来ないのだけど

 元気に頑張ってはいるようなので、良しとしよう

 溜息一つ、ついでに煙草の煙をぷかりと吹かせた

 















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四万ヒット企画で宵知さんからいただきました☆
うふ、ふふふ。(←怪
最後の画像の花丸が懐かしくほほえましく感じます。
素敵な贈り物ありがとうございました!!