冬休みが終わり、三学期に入った。
啓太と一緒に登校し、その途中で浩介と偶然合流した。
「久しぶりだにゃん」
「にゃん」
「・・・・・・」
相変わらず訳のわからない言葉遊びに俺は入らずに二人の頭を軽く撫でてやる。
こんなことを言っても許される高校男子はこいつらだけだろう、隼人なんかもよくやっているがあれは犯罪だ。罰金五万円。
俺の肩辺りにある二人の顔はにこにこと機嫌よそうに笑っていて俺もつられて笑った。
教室のなかにはいるとすでにほとんどのクラスメイトたちが好き勝手に遊んでいた。
「おー!!じゃん!!」
ひときわでかい声で俺を呼んだのは光。
「ってぇな。わざわざ頭たたくんじゃねぇよ」
何度も何度もたたいてくる手をつかんで光をにらむと光はなにが受けたのは知らないがにかっと笑った。
「だってよー、お前、また背伸びたんじゃねぇか?少なくとも俺の背を越されないようにしとかねぇと」
「んなんで成長が止まるわけねぇだろ」
馬鹿だ馬鹿だとは思っていたが、やっぱり馬鹿だ。
呆れた、と声に出さずに表情に出していると、隣から啓太と浩介が話しに割り込んできた。
「つっちーは身長とせんすがなくなったら何にも残んないから必死なんだよねー」
「大丈夫だよつっちー、たとえ身長とせんすをなくしても俺はつっちーを見捨てたりしない!!」
「おう、ありがと・・・って俺のとりえはそれだけかよ!?」
「「えー?違うのー??」
綺麗にはもった啓太と浩介の容赦ない言葉に光は見事に落ち込んだ。
長身が隅にしゃがみこんでぶつぶつ言ってるのはホラーだと思うぞ、俺。
しょうがないから俺も口出ししてやろう。
「オイオイ、光のいいところは身長とせんすだけじゃなだろ?」
「!!」
光は救いの神を見た!!というきらきらとした目で俺を振り返った。
ほんと、素直なやつだよなあ、でも、忘れてないか?俺のキャラ。
「俺は光のおバカでからかいがいがあって俺の代わりに目立って身代わりになってくれるところが大好きだよ」
一瞬、何を言われているのかわからなかったらしい、光は目を瞬かせて俺を見た。
その隣で、流石に哀れに思った浩介が光の肩に手を置く。
啓太は俺の腕に手を絡ませて俺を指定席に座らせる。啓太は俺の膝に座った。
いつもの体勢だ。
「〜〜〜〜〜!!」
我に返った光の情け無いやら怒りたいやら判別のつかない声が聞こえたが無視、啓太が代わりに答える。
「つっちー、がそうゆうこと言うのって最初からわかってるじゃん」
だめだなぁ、とでも言うように啓太はにっこり笑いながら言った。
気のせいか、ふっきれたときのような空気を纏っているように見える。気のせいだと思いたい。
「タケまでもかよ〜!!」
「何言ってるんだ。啓太はいつも俺側にいるに決まっているだろ」
なぁ、と啓太の肩に顔を乗せると啓太もそれに答えるように俺に身を預ける。
すると、後ろから聞きなれた声がかかった。
「今日もあっついくらいラブラブだねぇ、ちゃん」
「あ、おはよー隼人」
「ちゃんづけはやめろ、隼人」
眉をしかめて声をかけてきた隼人を顔だけ振り向かせてにらむとおぉ怖、と笑って後ろのほうの席に座る。
今着いたばっからしい隼人はまだ眠いらしく、すぐに机に突っ伏してしまった。
珍しく絡んでこないと思ったらただたんに寝不足なだけか。
「なぁなぁ、今日からまた新しいやつが来るらしいぜ」
浩介が光の慰みに飽きたらしく、俺にとってはどうでもいい情報を持ってきた。
啓太はそれに反応する。
「まじで?」
「まじまじ。だから俺、トトカルチョやろうと思うんだけど。今度はどのくらいで辞めるか」
「というよりはいつ俺が処刑するかだろ」
なかなか平和的ではない会話がここで始まっているが、クラス内は相変わらず騒がしく遊びまくっている。
浩介は目を輝かせた。お前、ホントこうゆうイベント好きだよな。
まぁ、このクラス全員がそうだろうけど。
「はいつにかける?」
「ん、じゃあ卒業直前に二百円」
そこ、しょぼいとか言うな。
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トトカルチョってなんか響きが懐かしい感じがするのはなんでだろう・・・。
なんかつっちーってからかいがいがありそうだし
日向はイベントの準備とかするの好きそう。
んでもってタケはみんなのマスコット!!
え?主人公?そんなの知りません(しらっ