こんな子気付かないのはおかしいって!!





テーマは高校の思い出、もしくは将来の夢、らしい。
なんか、新しく来た女教師が作文用の用紙を一人一人ずつ配っている。
俺はそんなことよりあれが本物かどうかが知りたいってか確かめたいんだけど。
まぁ、3Dのやつらが作文なんてつまんないことをするわけがなくて。
最初はまず啓太が声をあげた。


「俺金持ちになりてー!!」
「じゃー俺は・・・・・!!!」


それをきっかけにしてどんどんどんどん盛り上がっていく教室内。
それにしてもほんっと、テンションの高いやつらだよなぁ。
俺にはとてもそんな風に毎日を過ごせん。若さというやつだな、若さ。


「なら俺はお嫁さん!!」
「結婚してくれー!!」


外国行って結婚を認めてもらえよ、あっちではちゃんと同性でもありだぞ。男も女も。
心のなかでつっこみつつ、俺は無言。
こうゆうときは傍観しているほうが面白い。
みんなの様子を観察してるのは、こっちまで楽しい気分にさせてくれるから、最終的には俺もこの中に巻き込まれるんだけどな。
そして、教師が声をあげた。


「静かに!!」
「おめーがうるせぇんだよ!!」


あーキレんのはやいな、光。
ま、そこでキレなかったら光じゃないけどな。


「俺、やっぱと結婚するーvv」


ほら、な。(ため息)
一瞬静まり返った教室、でもかんたんにそれを切り崩したのは啓太だ。
そしてやっと教師は俺の存在に気づいたらしい。目をぱちくりさせて俺を凝視している。
わかってはいるけどもこうゆう反応をみるとついからかってしまいたくなるのは俺の性格だ。


「何?もしかして今初めて俺の存在に気づいたわけ?」


クラス確認のとき俺机に伏せて寝てたからなー返事をしたのは啓太だし。
ま、そのとき俺は起きてたんだけど。
啓太だけにはばれていたみたいだけどこいつらが俺の狸寝入りに気づくわけがないもんな。
というか、いつまで俺を見てんだよ、こいつ。


「アンタ」
「はっ!?た、担任に向かってアンタとはなんだアンタとは!!」
「じゃあこんな目立つかっこしてる俺の存在に今気づいた担任様はどうなんだよ?」
「っぐ、こ、こいつ〜」


自分でも質の悪い笑みを浮かべている自覚は一応あるつもりだ。
ま、この人からかうと面白そうなキャラだし、本気で怒ったら痛い目にあいそうだけど。
それにまだたいしたこと言ってないんだけどな、俺帽子頭にのせて寝てたから髪の色とかわかりにくかったと思うし。


「どう?俺の自慢の髪」
「どうって・・・それ地毛なのか?」


おや、ちょっと予想していた反応とは違うな?
まぁ、そうじゃなくちゃ極道の人間が教師をやろうなんて思いもしないか。


の髪は地毛だよ〜?んでもってこのきれーな目も♪」
「間近で見てみるか?」


にやりと笑う。
実はかけていたサングラスと帽子をとって、顔を近づける。
めんどくさくて中途半端に伸ばしっぱなしの髪が、目の端に入る。
嫌な予感がしたのか、あわてて飛びのかれていたけれどな。
なんだ、せっかくキスしてやろうなんて思ってたのに。
そう思って肩をすくめるとその女は体を震わせた。


「なんか、変なこと考えなかったか?おまえ」
「いぃや?別に考えてねぇよ」


俺にとっては、だけど。そこは口にはださない。
啓太にはばれたのか、軽く小突かれたけど。
女は俺の髪と目を見ている。
なんか、初めてパンダを見たような反応だな。


「知らない?アルピノ。別名色素欠乏症」
「肌も真っ白なんだよー」


啓太は俺を自慢するように胸をはって俺の頬に手を滑らせた。
どうでもいいけどさ、俺まだ女の名前知らないんだよね、自己紹介のとき思いっきり寝てたし。





back/next

やっと主人公の外見について触れる。
一応主人公設定のときに書いてはいるんですけどね、あの下手な画像とともに。
でもちゃんと本編で入れたかったので一安心。