ズズーッ
はぁ、やっぱり日本茶はいいなぁ。
日本人の疲れた心にはとっても癒される。
俺はさわやかに、地下の実験室で現実逃避をしていた。
俺の背後には、二人の暗部がたっている。
そもそも、だ。
俺は彼らの命の恩人でもあるはずだ。
それなのに、だ。
なんで俺は彼らにそれだけで殺されそうな殺気を送られ続けているのだろうか。
それに、だ。
二人とも治療が完璧に終わっているのに帰らないのはどうしてだ。
ぼんやりと考えながら俺はまたお茶をすする。
ズズーッ ハァ・・・
うん、やっぱり日本茶は癒されるなぁ・・・。
現実逃避する。というか、それしかできない。
仮面はもちろんしていない。ついでに変化も解いている。残念なことに。
手術が終わり、少し休憩しようとお茶をいれ、まだ二人は目が覚めないだろうと久しぶりに変化を解いてお茶を飲んでいたらこの状態になっていた。
そして、ちょうど十分間、この状況が硬直している。
さて、この二人は何をしたいのか、さっぱりわからない。
というか、今は異常なほどに忙しいんじゃなかったのか?というか、任務の報告はどうした。
「お前が、ドクターか?」
「が、お前だったのか?」
やっと、俺の茶をすする音以外の音、というか声が空気を震わせた。
俺はんー、と肯定だか否定だかわかりづらい声を出して、またお茶をすする。ちなみにこれで三杯目だ。
「答えろ」
「拒否権行使」
即座に返した俺の言葉に彼らは一瞬ひるんだようだった。
それに畳み掛けるように言葉を連ねる。
「つか、帰れ。邪魔だ。それに人に殺気を向けるなうっとおしい」
実際はうっとおしいとかいうレベルの問題じゃない、むしろ気が狂わないのが不思議だ。
お茶をすすいで音を立ててすする。
とにかく暗部なんかとできるかぎりかかわりたくない。身の危険を感じるから。
まぁ、俺自身が暗部に所属してはいるがそんなことは棚上げだ。
「出口がわからないんだったらそこのビンがかかっている扉をくぐれば外に出られる」
まさか方向音痴であるわけがないだろう?
お茶を全て飲み終わったので片付けをし、彼らのほうに顔を見せないようにそらせて運ぶ。
仮面は、つけていなかった。
「おい」
無視する。
返事をしてやる義務もない。
「おい!!」
流しに置いて洗う。
冷たい水が手をなぞるように流れる。
「おいって!!」
肩を掴まれて振り向かされた。
・・・って。
「なんで変化解いてるんだよ・・・」
そこには本来の姿をさらしている漫画の登場人物、ナルトとシカマルがいた。
ほんっと、意味がわからん。
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実は二人の正体に気づいていませんでした。
んでもって主人公、日本茶で和んでます(笑)や、私が好きなだけなんですけどね。
さて、やっとちゃんと出会ったぞ!!
・・・・・・これから深くかかわる人物に会うだけのために10話もかかってるのって。
し、しかもこれから原作沿いにしたいなんて誰にも言え、言えっ・・・(泣