俺たちと一緒にいないかとかお前のこと教えろよとか言われたってさ。
俺はお前らと深く関わるつもりなんてこれぽっちもないし思わない。
生き伸びることが第一目標である俺にとってはお前らの存在が危険なんだって。
・・・だからお前らの言いたいことがよくわかんねぇんだって。
大体、俺の仕事はもうないから。
お前らはもう治療済み、つまり俺は用済み、わかるか?
・・・だったらさっさとここから出てけっての!!
「や、お前と一緒にいたら面白そうだし」
「俺はこの体の違和感について知りたいんだけどな」
面白そうで俺の命の危険をさらすな、ナルト。
体の違和感については傷の治療を受けた奴なら全員覚える、シカマル。
シカマルの体についてちらりとある考えが掠めたがそれをきっぱりと無視して(むしろ消滅させて)右目を抑える。
俺の心の中を読んだようにシカマルは何か知ってるんだろ?というふうににやりと笑った。
「だから俺は知らないといっているだろう。お前の気のせいだ」
右目を抑えながらはっきりと言い切るも二人は引き下がろうとはしない。
だいたい、俺はナルトとシカマルが暗部に所属しているなんてこれっぽっちも知らなかったし、疑ってもいなかった。というか暗部の正体というものにまったく興味がなかった。
お前らが勝手に俺に正体をばらしたせいで俺はさらに厄介ごとにかかわる可能性が出てきたし!!
ったく、どうしてくれるんだか。
そこまで考えて思いっきりため息をつく。
しょうがない、人間、諦めが肝心だ。というかこれ以上こいつらと口論してる気力がない。
「わかった、わかったから今日は帰ってくれ。俺はもう寝るんだ」
「本当だな?」
「嘘ついてどうする。面倒ごとが重なるだけだろう。お前らはしつこそうだしな」
「、お前の名前は?」
そこまで確認を取るか。
というかなんで俺にこんなに興味を持つのかがわからない。
やっぱこの治療技術が珍しいからか。
それともナルトの中にいる九尾とか関係あるのか?
ナルトと会うたびに微妙な熱を持つ右目を意識しつつ、なんでもないように俺の名前を名乗る。
そういえば、俺の名前を知る奴ってほかにはいないんだっけ。
母親は俺の名前を随分あとになってから付けたから、病院も、母親の友達も俺の名前を知らないはずだ。
そう考えると、初めて他人に名前を教えるのがこんなに成長してからになるとは、なんだか不思議だ。
「俺の名前は、・・・・・・。だ」
「知ってるだろうけど俺はうずまきナルトだ」
「知ってるかどーか知らねぇけど奈良シカマル」
知ってるさ、二人とも登場人物だし主人公だし。
よし、もう用事は終わったな、じゃあ俺は帰って寝るからお前らも実験室出ろ。
問答無用で二人を外に放り出し、俺も出たあとに一応幻術をかけなおしておく。
疲れた。
俺はもうまるまる一週間寝てないんだ。
二週間くらいはなんとか寝ないで普通に活動できるが寝れるときにはできるだけ寝ときたいし、なによりも俺は睡眠大好き人間だからだ。
地下実験室を出ると外は目がちかちかするくらいの眩しさ。
俺は下手すると家までついてきそうな二人を振り切って家に戻り睡眠をむさぼった。
久しぶりの布団は居心地がよかった。
外に厄介ごとがあることはまったく忘れてしまいたかったがそうもいかない。
ったく、シカマルじゃないけど面倒なことになったな。
この時点で俺は二人の追跡を振り切ったということでさらに興味をもたれたということについて、まったく考えていなかったということを追記しておく。
どうやら俺も疲れていたらしい。
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やっと名前が出た!!
というかここまで長かった!!
主人公、いろいろな苦労をきっとこれから背負っていきます。
というか私がかけます(笑)
っていうか短いな。たぶん次はもうちょっと長くなる、はず?