学校






俺はなんでここにいるんだろう。
しかも、わざわざ顔半分だけ変化して。
そろそろ本気で振り払わないと際限なく頼みごとを押し付けられてしまうような気がする。
今まで生きてきた中で、もしかしたら一番強く、そう思った。
――ちなみに。


俺は今、ナルトとシカマルがいる、アカデミーの教室にいたりする。










ー!!はやくメシ食うってば!!」
「ぼーっとしてんじゃねーよ!!」


・・・しかもなぜかこいつら悪戯四人組に入れられてるし・・・。
今では五人組とかむしろ面白がって五人衆とか言われてるし。俺、別に一緒にいるだけで何も悪戯してないんだけど。
よく叱りにくるイルカが言うには、何もしてないっていうことも、参加してるのと同じだって。
まぁ確かにすぐそばで止めたりしてないからな、めんどいし。
あれだろ、虐めを見てみぬふりをするのと同じようなもんだろ。
でも好きで一緒にいるわけじゃないんだけどな。

入学させられたその日にナルトに腕引っ張られて嫌な予感しながらも着いたのは見覚えのありまくるメンバー。


『今日からコイツも仲間だってば!!』


って言われたときにはマジで殺意というものを抱いた。
それに元気よく返事を返されて自己紹介っぽいものをしてよろしくーとか言われて即悪戯の作戦会議を開き始めたから、唖然としたというか呆然としたというか・・・結局そのままなんだけど。


「ホラッ、さっさと行くってば!!」
「うわっ!!急に腕ひっぱんよ!!」
がぼーっとしてるからだってば!!」


早くしねーとイタズラしかける時間なくなるってば、と続けられた言葉にはもう呆れるしかない。
確かに悪戯はおもしろいことはおもしろいけどな?お前昨日落とし穴作ってるとこイルカに見つかってすっげぇ怒られたばっかだったろ・・・。
時々ほんとにコイツ、暗部だったっけ、と疑わしくなってくる。
こいつら曰く秘密基地に着くと先についていた奴らが一気に口を開いた。


「おせーよナルト、!!もう先に食ってんぞ」
「ング、毎日毎日大変だね、ナルトもも・・・ポリポリ」
「めんどくせー。、てめーも自主的に来れるようになれよ」
「あーはいはい・・・・・・。無理」
ってば、シカマル以上のめんどくさがりだってば」


俺は別に・・・まぁめんどくさがりだってことは否定しないけど、影と妖力を使って書類整理とか部屋片付けとかするシカマルほどじゃないぞ、絶対。
そう思ったが口には出さず、いつもの定位置、つまり端っこに腰を下ろし、携帯食の袋を開けた。
二口でそれを食べ終え、横になる。


!!あんたまたちゃんとした昼食取らないつもり!?」


甲高い、四人以外の声。
俺は目を閉じてうるせーと呟く。
地獄耳のそいつには簡単にその音を拾い上げ、激昂した。


「あんた!!昨日はちゃんと食べるって言ったじゃないのさ!!っあぁもう、チョウジ!あんたの菓子この駄目医者に食わせなさいっ!!」
「うん、いいよー。、それだけじゃ体持たないよ?」
「あ、こいつの弁当、うちのお袋が作ってくれたからいいぜ、チョウジ」


シカマル、余計なことを・・・。


「ほらっっ、シカ母のっ、愛情っ、たっぷり弁当っ、食べなっ、さいっ!!こらっ、起きろったら!!」
「だああわかったわかったから俺の上に乗るな飛び跳ねるな大声でわめくな!!」
「アタシだって重いのよこのピアス!!」


それだけ言うとそいつは床に落ちて頭を抱えようとしながらもんどりかえる。
前足、届いてないのが滑稽だ。
ってか、何度同じことやったら懲りるんだよ、こいつ。
けらけらと笑いながらキバがそいつを抱えると耳をふさぐ。


「大丈夫かー、ウサギ」
「・・・大丈夫じゃないわ・・・」
「まさに自業自得。自分の声のでかさにダメージ受けてちゃ世話ねぇな」
「・・・うるさいわよ・・・。元はと言えば、あんたのせいなんだからね・・・うぅ・・・」


いつも思うけどこいつもほんとにどうかしてると思う。
これがあの時拾ったガラクタだったものだと思うと、そのギャップになんかおかしくなってくる。
完全に回復して、喋りたいって妖力のテレパシーで伝えてくるもんだから声帯と舌をいじくって、今ではこんなに元気だ。
というかやかましい。
ウサギって呼び続けているのは、とりあえず名前が決まるまでの仮名で種族名で呼んでいて、結局そのままなだけの理由だ。
ぐったりとしているウサギを見て、大げさにため息をついた。


「ったく、しょーがねぇな」


シカマルから弁当を受け取り、キバに抱かれているウサギに手をやる。
軽く妖気を流してやれば、少し楽になったみたいだった。


「・・・・・・礼は言わないわ。原因はあんたなんだから」
「はいはい悪かったな」


弁当に手をつければ、もう先に食べ終わっていた俺以外の全員が作戦会議を始めた。
今回はナルトだけが実行するらしい。
目立つことをしでかすから、他は裏方なんだと。


「はい、ナルト。これロープ」
「うちにあったペンキはそこにあるぜ」
「・・・これが火影岩の上まで誰にも見つからずに行けるルート地図と、時間リストだ」
「ニシシ。ありがとだってば!!」
「・・・火影岩?」


俺は何をするのか知らない。
だけどその単語、というかその単語に関わる悪戯というものには覚えがあった。
しかもその道具類って・・・。
ナルトは俺を振り返り、仮面ではなくて、心底楽しそうに笑った。


はロープを見張る係りだってば!!」
「や、だから俺は何をするか知らないんだけど・・・」


しまった。これじゃあ俺も参加する意志があると言ってるようなもんじゃないか。


「今回のターゲットはアレ」


俺の失言に気付き、訂正を入れる前にシカマルが指す。
指先の方向に視線をやると、ここからでもよく見える火影岩。


「キバの持ってきたペンキで落書きするんだって」


ナルトの発想ってすごいよね、というチョウジのずれた言葉に、もはやつっこむ気力は沸かない。


「俺もやりたかったんだけどさー。ちょうどその時間帯って係りあるんだよな」


まだウサギの耳に両手をやっているキバの言葉にもいくつかつっこみたいような気がしたが、どうでもよくなってやめた。
赤丸はウサギを心配そうに見ている。
俺は大きなため息をついて、俺がやるのはそれだけだからな、と一応言っといた。





back/next

アカデミーへいつの間にやら入学。
あと、あともうちょっとで原作・・・っ!! (必死