ナルトに連れられて何を話すわけでもなく淡々に道を歩く。
何か用があるのかとでも思えば、ただこうしてミズキが話しかけてくるまで適当に歩き続けるだけなんだろうか。
そもそも、ナルトはミズキが何かを策略しているということをあらかじめ知っているのだろうか。
少なくともウサギはともかく、俺はそんな情報は持っていないのだけれども。
ウサギは里内のほとんどの会話を聞き取ることができるからほとんど隠し事はできない。
だけどその情報を俺にまで伝えてくるかどうかはウサギの判断によるし、俺もよっぽどの急用じゃないかぎりはほとんど緊急の仕事、つまりは急患が来ない限りはテレパシーを使った連絡を取らないようにとも言ってある。
なぜって、そうでも言わないかぎりウサギは延々と俺に何か雑談し続けるからだ。
「」
「・・・・・・なんだ」
声には出さないものの、急に声をかけられたことに驚いたことは否定できない。
ナルトの事だ。返事に間が空いたことで俺の動揺を簡単に気付いただろう。
だけどナルトはそのことには触れなかった。
「もういいだろ」
何のことを言われたのかわからなかった。
ナルトは俺の疑問を即座に理解したのか、また不機嫌そうに眉を寄せ、歩みを止め、俺を振り返る。
そんなに眉を寄せたらシカマルみたいに将来皺が取れなくなるぞと言おうかと思ったが、なんとなくナルトの持つ雰囲気が軽口を叩くことを許さないような気がして口を閉ざす。
「六年だ」
「・・・それはお前と俺が知り合ってから経った月日のことか」
言いたいことに気付いて、確認するように聞く。
我ながらややこしい言い方だ。
だけども、ナルトはまた何も言わずに頷くだけで、特には気にしない。
それは慣れなのか、いちいちそんな細かいところまで気にしていたらキリがないということか。
どうにも俺は、言い方を難しくしてしまう癖があるらしいから。
「いい加減、お前も俺たちのことを信用してもいいころだろ?いくらお前が人間不信だからとは言ってもな」
「俺は別に人間不信なわけじゃない」
「どこがだよ」
俺はもともと人間に対する価値観がお前らとは違う、と言っても意味がわからないだろうから、何も言わない。
黙り込む俺の態度を悟ってか、ナルトはさらに瞳の色を剣呑なものに変えた。
「お前って、時々、ほんっとうに、むかつく」
わざわざ区切って、ひとつひとつの言葉に力を込めるようにして放たれたそれに俺は普通に聞き流し聞かなかったことにする――ことはできなかった。
なんでもないことだろう。
そう自分に言い聞かせて、ズキリと鈍い痛みを訴える瞳を無視した。
「そうか」
構わない。それでも構わない。
俺は俺の事情がある。
そもそもお前たちと関係があることすら俺にとっては具合が悪いのだ。
そう思ってくれて、この関係を絶ってくれたほうが都合がいいのは間違いない。
だって、約束があるから。
死の香り、やせ細った体、微弱な瞳の輝き、小さな微笑み
それでも、俺のことを、愛しいと。
私たちの、子だと。
そう、言ってくれた人がいた――。
「ナルト君、君」
その固い空気と俺の思考を崩したのは、ミズキだった。
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なんだか険悪ーな雰囲気に;;;
最近仲良さげだったのにッ!!どうしてこんなことにッ!?(だから自分で書いたんだろーが
そしてタイトルの四文字をつけるのが難しいーッ!!
最初は偶然にも四文字になってたような・・・だったのになんで今頃こんなに苦しむことになったんだー!?(爆